記事本文でのピックアップ…というより、「このカット絵で主役プッシュ!」というイメージ

この右ダルがとにかく格好良いのです。
1988年8月の記事です。
まず最初のページ。「オレが主役だ!」という、とっても分かりやすい見出しです。

『主役であり出番も多いのに、人気をアラミスに何歩も譲ってしまっているダルタニャン。しかし、やはり三銃士の魅力はダルタニャンというキャラがいてこそ!今回は、そんな「ヒーロー・ダルタニャン」の魅力をお伝えします。』
そうですそうです、主役はダルタニャンなんですから!
辻さん絵のダルタニャンがすっごく格好良いです。気の引き締まった精悍な顔つきで剣を構えています。バックの鉄仮面も、怪しさ満点で良いです。

左ページには、第1話のダルタニャンのカットがいくつかあります。希望に胸を膨らませてパリへ進むダル、「象を連れて帰ってこよう!」のダル、「へへへ…弱虫ー!」の木の上ダル、「死んだ父さんの剣…」のダル、ジイちゃんバアちゃんに見送られて進むダル……でも一番大きいカットは、ゾウの雲(笑)。
で、記事本文。原作「友を選ばば三銃士」に書かれているダルタニャンの様子と、アニメ三銃士のダルタニャンの様子を比較しています。
『原作ダルとアニメダルの共通点:無鉄砲なほどの勇敢さ・誇り高い・名誉を重んじている
原作ダルとアニメダルの相違点:原作ダルは飲み込みが早く、判断も素早い。アニメダルは、そそっかしくて、底抜けの楽天家。三枚目的な親しみやすさがある。』
えーっ、アニメダルだって、飲み込みが早くて判断力もあったと思いますけど…。
原作ダルとの違い…女性関係では完全にコンスタンスしか見えてないところ、とかじゃあないかなと思います。あと、ロシナンテを大事にしているところとか(笑)。

『当初は護衛隊の入隊を希望していながら、コンスタンスの誘拐を邪魔。それなのに、護衛隊に入隊できると信じて疑わなかった神経の太さは、ローシュフォールも絶句するほどの神経の太さだ。』
一番最後の箇所で、この文章を要約できますよね。あと、伯爵は絶句というより、「神経ってものがないんだ!」と絶叫していた気がします(笑)。

『直情径行型でおっちょこちょい、というのはヒーローのひとつの典型。だが、やはりひとつ突き抜けてしまったキャラクターというのは魅力的だ。しかし、最近はその脳天気さも薄れてきてしまっている。物語の進行上仕方がないとはいえ、ちょっと残念。』
鉄仮面が登場し出した頃の記事なので、確かにおっちょこちょいなところは薄れてきてますね。バッキン暗殺だったり、コンスの記憶喪失だったり、展開がやや暗めですしね…。
そそっかしいところもあるけど、明るく元気!誇りもあり、正義感も強い、正にヒーロー!なところがダルタニャンの魅力、という事ですね。

みーんな笑ってます。
で、次のページですが、まず右側から。
こちらは、『もうひとり(?)の主役・三銃士』という事で、三銃士について少し触れています。
『誇り高いアトス、優男で修道士志願のアラミス、美食かで豪勇無双のポルトス。以上が原作の設定だが、アニメはポルトス以外に大幅な変更がなされている。
アトスは、ミレディーと元夫婦という設定がなくなったため、原作のような陰影とドラマが感じられなくなった。アラミスは男装の麗人となり、独特の魅力。
アトス・ポルトスにも、もっと活躍の場を!』
カットは、パイロット版の笑顔三銃士と、ダルタニャンとの決闘にやってきたシーンの三銃士です。
これ読み直してなーんとなく思ったんですけど、アトスって「動」か「静」で言ったら、「静」の騎士なんだなーと思いました。頭が切れる作戦参謀なポジションもですが、ダルの告白(ミレディーの件)を待っていたりとか、シャトレの牢獄の中からダル達を助けたりとか…ああ、静だから「ドラマが感じられなくなった」とか書かれるのでしょうかねえ。(でもこれ、なーんとなく思った内容なので、また考え変わるかもです。)

左側は「遂に四銃士に!」と、銃士任命式のダルのカットがあります。マスケット銃を受け取ってます。
ん?でもアニメの中で「四銃士」という言葉(発言)、一度もでてない気がします…。
あと、ラブレターを渡す時の照れコンスタンスのカットもあります。
『すっかり恋人になった二人ですが、この後彼女にはつらい運命が……』
ねえ、誘拐されるわ閉じこめられるわ、下敷きにされるわ記憶は失うわ…ヒロインが散々な目に遭っちゃいますもんね。見ていて辛い展開です。
"すっかり恋人になった"のとこは、良かったなあと思いますけど(笑)。

それと、映画版三銃士のカットがちょこっとあります。1921年版と、1974年版。
『三銃士の一番の魅力は、やっぱり冒険活劇!それは格好の題材で、幾度となく映画かされてきた。そして快男児ダルタニャンは、常にその時代の大スターが演じてきたのだ。』
カットの三銃士&ダルタニャン、勇ましいです。1921年版のダグラス・フェアバンクスのダルタニャン、(見たことないのですが)フィギュアスケーター・キャンデロロのダルタニャンを連想しました。
そして、ヤグディンの仮面の男も思い出しました。(こちらは何度も見まくりました。大好き。)